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利益処分方式は、決算書の利益は減少せずに、申告書上で利益を減少するというものです。
会社決算書の経常利益を前年同様維持したい会社にとっては是非とも一考したいところです。
税法では、一般的な減価償却方法として、定額法、定率法、生産高比例法があります。
このうち生産高比例法は鉱山事業に使用されるもので、ここでは説明を省略します。
定額法は、毎期の償却額を同一とする方法で、経営上収入が毎期一定の場合、定額法は毎期のコストが平準化することから利用する企業も多いようです。
定率法は、当初多額の償却費が計上され期間が経過するのに応じて償却額が減少していく方法で、設備投資直後に多額の償却額を計上することで節税メリットがあります。
同じ1000万円の設備投資をして、その機械の耐用年数が五年の場合に両方法の毎期償却額を比較してみます。
一年目、二年目は定率法が定額法を上回るが、後半になると逆転します。
当然のことですが、耐用年数の全期間を通算すれば償却額は同額です。
工場ごとに有利な方法を選択する=減価償却方法は、建物、建物付属設備、構築物、車両運搬具、工具、器具、備品といった固定資産の種類ごとに選定しなくてはなりません。
たとえば建物について定額法を選べば、すべての建物について定額法で計算するが、他の種類の資産は別の方法でもかまいません。
なお、機械装置は設備の種類ごとに選定できることに注意してください。
注目すべきところは、同一種類の固定資産でも、工場、支店といった事業所ごとに異なる方法を選べるということです。
たとえば、本社、工場は定額法で償却しているが、新設の大阪工場は会社全体で高利益が予想されるので、節税対策上、定率法を採用するのはよくあることです。
新工場単独では赤字となることを嫌う向きには、工場損益は管理用として定額法で計算し、正規の決算用には定率法を使うことも可能です。
定額法から定率法へ変更=証券取引所に上場されている大企業の「有価証券報告書」をみると毎年数社、この変更を行っています。
メーカーにとって、減価償却費の金額は多額にのぼり、償却方法の変更の影響はかなりの金額となります。
さてこの償却方法の変更は、「会計処理の継続性の変更」の一例です。
いままで続けてきた償却方法を変更する点が、新しい工場に定率法を適用するのと異なるところです。
変更には、タイミングを選ばないと逆効果になることもあるので注意してください。
この節税効果をもった償却方法の変更もそう簡単にできるわけではなく、いくつかの条件を満たさなければなりません。
法人税法は、償却方法や評価方法の変更については利益に与える影響が大きいことから、みだりに変更して租税回避するのを防止するために次の条件をつけています。
変更したい事業年度が開始する前日までに「変更申請書」を所轄税務署長に提出して承認をとること。
一度採用した方法は三年間は変更が認められない。
変更申請書には変更の合理的理由を明示する。
固定資産を期中取得した場合、使用開始した月から、減価償却を開始してよいことになっています。
定額法や定率法で計算した一年分の償却額を月数按分して計上することになります。
しかし、多数の固定資産を毎期購入する企業にとって、取得日の異なる資産について個々に計算するのは大変手間のかかることから、税法も簡便償却計算を認めています。
これは、固定資産を事業用に使用開始した時期が実際はいつかに関係なく、事業年度の中間を使用開始した時期とみなす方法です。
したがって、償却額は年間償却額の二分の一となります。
たとえば、前述の二一月決算会社が一二月に購入しても、一ヵ月分ではなく六ヵ月分の償却費を計上できることになります。
ただし、次の点に注意してください。
適用資産は、機械装置、車両運搬具、工具器具備品、工業所有権に限られる。
簡便償却法によるか月数按分法によるかは、区分ごとに判断する。
申告書に適用を受ける旨を記載すること。
簡便法は毎年原則法と比較して有利な場合だけ採用することができるし、その対象も固定資産の取得だけでなく、固定資産の改良等の資本的支出についても適用が認められています。
このように簡便法の使い方によっては、減価償却額の計上が大きく違うところから、簡便性より節税対策として重宝がられています。
リース産業の発展は目覚ましく、オフイス―オートメーションから産業用ロボットまで、今やリースを無視した設備投資はないといわれる時代です。
そこで、リースをめぐる税務のメリットについてみることにしましょう。
一般に、リースには借り手であるユーザーの立場からのメリット追求と、リース業やリース事業への投資家の立場からのメリット追求があります。
エレクトロニクス産業をはじめ、技術革新の波にもまれる業界では設備の陳腐化に対処するだけでなく、リースにより早期減価償却を実施して節税のメリットも享受しています。
ここでリースというのは「ファイナンスリース」と呼ばれるもので、次の二つの条件をすべて満たしていて、実質は借入金で固定資産を購入したのも同様といえるリースをさします。
フルーペイアウト=リース期間中支払うリース料の総額がリース物件の購入価額プラス付随費用(金利、保険料、固定資産税等)の合計額にばぼ一致(九〇%相当額以上)。
中途解約禁止=リース期間中解約ができない契約。
または仮に解約できても残りのリース料のばぼ全額(九〇%以上)をペナルティとして請求される契約。
リースの最大の特徴の一つは、法定耐用年数より短い期間で減価償却と同じ効果があげられることです。
法定耐用年数が一〇年未満の資産では、リース期間はその七〇%まで短縮が認められ、法定耐用年数が一〇年以上の資産では、リース期間はその六〇%まで短縮できます。
リースを使えば、通常の減価償却よりもかなり速いスピードで償却することが可能なので、課税所得を減らし大きな節税をすることができます。
それをここではリースメリットと呼んでおきましょう。
ただし、上記の制限以上に不当にリース期間を短縮した場合には、支払リース料の一部が、費用にはならず前払費用として取り扱われる場合や、売買取引とされる場合があるので注意してください。
契約はリースとなっていても、税務上は必ずしも前述のようなリースメリットを認めてくれないケースがあります。
法人税では、形式はリースでも、実質が売買に近いものについては、割賦購人したものとして扱うため、会社は通常の減価償却費相当分を計上できるだけで早期償却はできません。
いくつかその例をあげてみましょう。
不動産リース=土地、建物、建物付属設備、構築物といった物件の性質からみて、リース期間終了後リース会社への返還が想定できないものは売買取引として扱われます。
したがって、土地等の含み益がある場合などは課税上注意が必要です。
専用機械装置=機械装置が借り手の特別仕様で製作されているために、他に転用できず、リース会社に返還されることがない場合は「売買」として扱います。
金型のリースも一般的には専用性が高く、またリース会社に返還されることも少ないところから、売買として取り扱われます。
しかし、機械装置は技術革新のスピードが速く、数年で陳腐化してしまうことから、リース利用を促進する意味もあって税法も多少柔軟な取り扱いを示し、次の場合いずれかに該当すれば「売買」として取り扱いません。
一般に配布されているカタログ品である。
付属部分は特別仕様でも、主要部分はカタログ品である。
同業者に転用できる。
リース期間が法定耐用年数の八〇%以上。
総リース料が10640万円以下の小口物件。
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